平成29年9月2日の日記、平成29年3月12日に施行された改正道路交通法により準中型運転免許が新たに設定された。

平成29年9月2日の日記、平成29年3月12日に施行された改正道路交通法により準中型運転免許が新たに設定された。中型免許設定の時と比べると静かな滑り出しである。

仕事柄、他人の運転免許証を見る機会がある。
直近で運転免許の更新や紛失再発行をした人の運転免許をちらほら見るようになり、平成29年3月12日に施行された改正道路交通法による準中型運転免許が表記された運転免許証を見るようになった。
なお、二種免許や大型免許を持っているひとはほとんど見受けられず、まして、大型二種なんてレア中のレア。こりゃ、大型トラックや大型バスを運転できる人材が不足するわけだ。
ちなみに、大特二種とかけん引二種とか、全く見ない。

私が普通免許を取った時期は平成19年9月だったので、中型8t限定免許の恩恵には預かれなかったのだが、4トントラックが運転できなくなるから早めに免許を取れ、だとか、今のうちに大型免許を取れ、とか相当話題になっていた。
その普通免許が、今般の道路交通法改正により、準中型免許が新設されたことで、準中型5t限定免許となった。
10年前と異なり、改正前に普通免許をとれ、とか、今のうちに中型免許と、とか騒ぎはほとんど聞かなかった。
それもそのはずで、10年前は7メートルの大型教習車から12メートルの大型教習車に変更になったが、準中型免許の設定による制度改正では、7メートル中型教習車はそのままであり、難易度も変わらない。

なお、この準中型運転免許は、車両総重量7.5t未満の車両に対応するものとなる。
平成19年6月改正以前の道路交通法に基づく普通運転免許は車両総重量8t未満の車両に対応していた。
当時の普通免許が、現行普通免許と準中型免許になり、当時の大型免許が中型免許と現行大型免許となった形である。
免許の種類が増えて、教習所はウハウハだろう。
指定教習所が警察の天下り先となっている現状を鑑みると、天下り先を儲けさせるための施策なのでは? と勘ぐりたくもなるが、法改正にはいちおうの理由がある。

もともと平成19年6月改正までは、車両総重量8t未満の車は普通免許、車両総重量8t以上の車は大型免許と二分されていた。
全長5メートルもない5ナンバーサイズの普通車で免許を取ったのに大型車並みの外観を持つ車両総重量7.99tの車両を運転して事故を起こす例が多発し、7メートルクラスの当時の大型教習車で免許を取ったのに12メートルの大型車を運転できるのも変だよね(なお、大型免許取得後1年を経過しないと政令特大車は運転できなかった)。
法律上は全くの合法だったけど、こりゃマズいよね、ってのが中型免許の始まり。

車両総重量5t未満の車は普通免許、車両総重量11t未満の車は中型免許、車両総重量11t以上の車は大型免許となった。
あわせて、大型車の教習車が道路交通法いっぱいいっぱいの12メートルトラックとなり、より実戦に合わせた教習となった。
そしたら問題発生、車両総重量7.99tの車両を免許取り立ての若いあんちゃんたちが運転できなくなった。
中型免許を取れば良いのだが、中型免許を取るには普通免許等での2年以上の運転経験が必要となり、高卒大卒のあんちゃんが就職後の即戦力にならなくなった。
運転できるおじちゃんたちはどんどんやめていく、運転者がいなくなる、こりゃ参った!!

警察庁運転免許統計の平成19年度版と平成28年度版から抜粋すると、
車両総重量8t未満を運転できる運転免許保有者数(大型二種免許、中型二種免許、大型一種免許、中型一種免許の合算。旧制度下の普通免許は中型8t限定免許となったので中型免許に含まれる。AT限定免許も含まれる。)は、
平成19年度が76,447,213人であるところ、
平成28年度が69,296,586人となっており、順調に減少中である。

なお、大型免許の教習車が巨大化したため対応できる教習所が激減し、新規の大型免許取得が困難となった側面もある。
警察庁運転免許統計の平成19年度版と平成28年度版から抜粋すると、
平成17年度大型免許新規取得者数(指定教習所卒業者)が86,976人であるところ、
平成28年度大型免許新規取得者数(指定教習所卒業者)は51,932人であり減少している。
(平成18年度は制度改正前年度で駆け込み需要があったのか、100,151人である。駆け込み需要期と通常期を比較するのは詐欺なのでその前年と比較してみた。ただし、この平成18年度の数値が当時の教習所のフル稼働能力と判断できるだろう。)
(大型免許対応教習所数は運転免許統計には掲載されていなかった。残念。)
ちなみに、毎年5万人規模の新規取得者がいても、警察庁運転免許統計によれば、総保有者数は順調に減少している。


しょうがないから、車両総重量8t未満の車両を運転できる運転免許を新設しよう、となったのが今回の道路交通法改正。
旧来の車両総重量8t未満ではなく車両総重量7.5t未満となった理由はよく分からんが、普通免許等の運転経験がなくともいきなり取得できる(高卒大卒のあんちゃんをすぐに戦力に出来る)運転免許により車両総重量7.5t未満の車両が運転できるようになった。
これが、準中型運転免許。

かくして、車両総重量3.5t未満の車は普通免許、車両総重量7.5t未満の車は準中型免許、車両総重量11t未満の車は中型免許、車両総重量11t以上の車は大型免許、となった。
免許の主流が増えて、教習所のもうけにつながるだけじゃないかと。


さて、免許の区分が増えているからこそ、自分の免許で運転できる範囲を把握していないと危険だよ。
運転免許の区分には、車両総重量の他に、車両定員の区分もある。
乗員10人以下の車は普通免許または準中型免許、乗員29人以下の車は中型免許、乗員30人以上の車は大型免許、となる。
なので、車両総重量3.5t未満かつ定員10人以下の車は普通免許、車両総重量7.5t未満かつ定員10人以下の車は準中型免許、車両総重量11t未満かつ定員29人以下の車は中型免許、車両総重量11t以上または定員30人以上の車は大型免許、と書くのが正確なところとなる。
車両総重量2トンの車でも15人乗りであれば中型免許が必要になる。
なので、
全長5,380mm 全幅1,880mm 全高2,285mm 車両総重量2,520kg 定員10人の、ハイエースグランドキャビンは普通免許で運転できるが、
全長5,380mm 全幅1,880mm 全高2,285mm 車両総重量2,860kg 定員14人の、ハイエースコミューターは中型免許が必要になる。
見た目が一緒なので、きちんと免許制度を理解し運転しなければならない。

千葉県警察のホームページも注意喚起をしている。
内容は乗車定員ではなく、最大積載量や車両総重量の話だが参考になる。

千葉県警察/運転免許
普通免許による中型自動車の無免許運転に注意!
http://www.police.pref.chiba.jp/menkyoka/licence_info-01.html

最大積載量が3トン未満であっても、車両総重量が5トンを超えている自動車は「中型自動車」となり、普通免許では運転できません。
普通免許をお持ちの方が中型自動車を運転すると「無免許運転」となり、運転免許の取消し処分(最短でも2年間!)となります。
自分が運転できる自動車であるかを確認するには自動車検査証のココに注目!
「上司の命令で運転した。」「普通免許で運転できると思った。」「中型自動車であるとは思わなかった。」場合でも無免許運転となります。
普通免許で貨物自動車を運転するときは、自動車検査証をよく確認し、無免許運転を防止しましょう。

運転者用(PDF形式:292KB)
事業者用(PDF形式:293KB)



「上司の命令で運転した。」「普通免許で運転できると思った。」「中型自動車であるとは思わなかった。」場合でも無免許運転となるそうだ。
運転免許が運転者本人への許可なのだから、有資格者である本人の責任で対応しろよ、ということなのか。

さて、
何でこの話題になったかというと、下記の記事を発見したから。
「上司の命令で運転した。」「普通免許で運転できると思った。」「中型自動車であるとは思わなかった。」場合でも無免許運転となり、その責は運転者自身が負う。
そう広報していながら、自分の所の職員に周知徹底できていなかったというのだからお笑いである。
本人はもちろん道路交通法違反で検挙となったが、公用車の管理が出来ていない警察署に対しては、公用車の管理について適正に対処を云々……、といった指導が入って終わりなのだろうか。


巡査が護送車を無免許運転 千葉県警、中型免許なし
http://www.sankei.com/affairs/news/170519/afr1705190042-n1.html

千葉県警君津署は19日、同署の男性巡査(27)が、中型免許が必要な定員15人の護送車を無免許で運転したと発表した。巡査は普通と準中型の免許しか持っていなかった。免許取り消し処分になる見通し。
署によると、巡査は同日午前、容疑者1人と警察官を乗せた護送車を運転し、署を出発。約20分後に地検木更津支部(同県木更津市)に到着した際、上司からの指摘で発覚した。巡査は普段、準中型免許で運転できる10人乗りの護送車を使っていたという。
(産経ニュース/2017.5.19 19:53)


千葉県警察/安全な暮らし
最新事件・事故ファイル(2017年5月19日)
http://www.police.pref.chiba.jp/kohoka/orders_prefecture_00154.html

・道路交通法違反(共同危険行為等の禁止等)事件で少年らを検挙(交通捜査課)
 3月10日午後零時23分頃から同日午後零時27分頃までの間、君津市内の県道、市道等で、オートバイを運転し、信号無視等を繰り返して集団暴走し、著しく他人に危険と迷惑を及ぼす行為をした少年4人を5月18日までに検挙

・公務執行妨害事件で男を逮捕(銚子警察署)
 5月19日午前9時49分頃、銚子市清水町の民家敷地内で、職務質問をした警察官に対し、「うるせー俺は帰るんだ。」等と言い、同警察官の手を掴む等の暴行を加え、警察官の職務を妨害した自称無職の男(64)を逮捕

・道路交通法違反(無免許運転)で警察官を検挙(君津警察署)
 5月19日午前9時8分頃、君津市久保の路上で、準中型免許で中型乗用車の警察車両を公務で運転した男性警察官(27)を検挙


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